建設業界に「革命」を起こす技研製作所
今日は私が有望だと期待している企業の一つ、技研製作所(6289・東1)について。
圧入技術を生み出した会社
「圧入」という独自の建設技術を生み出した高知の会社です。その独自技術のメリット・優位性を生かして、建設業界を変革する「工法革命」を推進しています。
同社が生み出した「圧入技術」は、振動や騒音、汚泥などの建設公害を発生させずに、鋼杭やコンクリート杭を地中深くに押し込むことができます。
軽量コンパクトで場所を取らないこともあり、その代表機種である「サイレントパイラー」は、様々な工事現場で重宝され、普及が進んでいます。
インプラント工法が災害対策で注目
この圧入技術を使い、杭を壁状に何本も連続して地盤深くまで押し込むのが「インプラント工法」です。津波を防ぐ堤防や、山間部の土砂崩れを防ぐ擁壁など、災害対策工事の場面で注目を集めいています。
従来の堤防は浅い地盤に据え付けられているため、東日本大震災でも津波の威力に耐えられずに決壊してしまう場面がありましたが、「インプラント工法」は地球に根を張るような強固な構造で、津波に強いことがわかっています。
さらに、自らが押し込んだ杭を足場にしながら、機械が自動で次の杭を押し込んで工事を進めていくので、省スペースで安全な工事が可能とのこと。例えば、高速道路沿いや線路沿いの斜面などで、車や電車の通行を止めることなく、工事を進めることができるようです。
また、インプラント工法では、地中に瓦礫やコンクリート片などがあっても、それを取り除く工事が不要で、杭をそのまま貫通させることができるそうです。すごい工法だな〜と単純に感心してしまいます。
「地下」を活用した駐輪場・駐車場も
同社では、圧入技術で生み出す「地下空間」の利用も得意としており、全自動の機械式で地下に大量収容できる駐輪場や駐車場を開発しています。都会の狭い敷地において、地上のスペースを有効活用できることから、徐々に採用が広がっているようです。
実際、墨田区の発注で錦糸町駅前に同社の地下駐輪場ができるようで、2019年4月の稼働を目指しているようです。もうすぐですね。
ファブレス経営で高収益
同社は機械メーカーであり、工事コンサルでもあり、難しい工事の場合は施工も請け負ったりするようです。ただし、メーカーとしては製品開発に特化しており、主な製造は外に出しているので、ファブレス経営の側面もあります。
ちなみに経常利益率20%超、純利益率14%超と高収益で、ROEも13%、自己資本比率71%と、指標も優秀です。
まー、指標の良い企業に投資すれば必ず上手くいく、という単純な話ではないのが、投資の難しいところですが…。指標が改善されていく過程、企業が成長していく過程に投資のうまみが生じるわけで。
高知から世界を変える!
高知から世界を変えてやるぞ!という熱い野心を隠さない同社は、将来の海外売上高比率を7割にすると掲げています。米国、欧州、中国、東南アジア、豪州など、積極的に海外へ進出しています。
つい先日3月7日にも、技研アメリカ本社を米国オーランドからニューヨークへ移転したとリリースがあり、米国での活動を一層本格化させているようです。
今後のさらなる成長に期待したいと思います。