さすらい投資家Qの覚え書き

割安株、成長株、有望株を探し求める中長期投資ブログ。

M&A領域の拡大で、ソラストは成長加速へ

株主総会シーズンの最後は、ソラスト(6197・東1)の株主総会へ参加してきました。会場は大崎駅の近くです。

外食産業出身の藤河社長が4月に就任

株主総会の議長は4月に就任した藤河社長です。順調に成長を続けていたので、社長交代はどうなのかと思いましたが、石川前社長に引けを取らず、弁の立つクレバーな印象を受けました。

総会後に届いた報告書(ソラスト通信)によれば、藤河社長は日本マクドナルドロッテリアバーガーキングなどで要職を歴任し、2014年からはソラストで介護事業の本部長に就任しています。多くのパート・アルバイトが活躍する外食産業と、医療事務・介護・保育の現場で2万5千人以上の社員が活躍するソラストは、「人が重要」という点で共通点があり、藤河社長の経験が生きるのでしょう。少し安心できました。

M&A領域を医療・保育・ICTにも拡大

M&Aについては従来は介護事業だけで行なってきましたが、今後はそれ以外の全分野(医療、保育、ICT)でも行い、成長をより加速させるとのことです。さらにICT(情報通信技術)の活用も全事業で積極的に行い、効率・クオリティ向上を推進するとのことでした。

また、総会前日には「日本医師会ORCA管理機構」との業務提携も発表しています。同社は約17,000の医療機関に医事会計ソフトを提供し、医療現場のICT化を支えるソフトウェア開発を行なっています。この提携では「両社で医療・介護のICT活用を強力に推進していく」としており、「中長期の業績」に貢献するとしています。どのくらいインパクトがあるのかはまだわかりませんが(総会で質問すれば良かった…)、うまくすると業界標準となるようなソフトの開発・普及が実現するかもしれません。期待したいと思います。

株主総会では冒頭で「お詫び」も

実は今年の総会はまず「お詫び」で始まりました。5月に独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立入検査を受けた件です。ニチイ学館などと共に、中部地区の医療事務業務の受注で談合を繰り返したとされています。

これについて「真摯に受け止めている」として謝罪があり、「現在はこれ以上は何も言えないため、結果が出た段階で改めてきちんと説明したい」とのことでした。結果によっては課徴金や指名停止などもあるでしょうから、これはマイナス材料です。

業績は好調で、割安感が出てきた

業績については絶好調で、今期(2020年3月期)も二桁成長率の増収増益を予定しています。ただし、第一四半期はM&Aなどの先行投資で減益スタートの見込みです。

株価は去年までやや割高だった反動もあって、今年は下落が続いています。特に5月に公正取引委員会による立入検査のニュースが流れてからは一段安となっており、今は少し割安感が出てきました。これで検査結果が出て、1Q減益となると、もう一段下げるかもしれません。

しかし、成長路線は全く変わっていないので、どこかで悪材料が出尽くしとなって大きく反転する気がします。うまい具合に底のあたりで買い増しできればと虎視眈々と狙っております…。

f:id:Investment_Memo:20190629220204j:plain

株主総会後に郵送で届いた報告書。新社長の就任を強くアピールしています。

f:id:Investment_Memo:20190629220351j:plain

業績は右肩上がりで力強い成長が続いています。