さすらい投資家Qの覚え書き

割安株、成長株、有望株を探し求める中長期投資ブログ。

システムディは1Q赤字だけど好調?

システムディ(3804・JQ)の2019年10月期の1Q決算が昨日、発表されました。営業損失1.5億円の赤字…。でも、たぶん好調です。

同社の決算は2Qと4Qに売上が集中するため、1Qはいつも赤字なのです。決算短信の文章からも「業績は計画以上に高効率に推移しております」と自信が垣間見えます。実際、赤字幅は前期に比べて縮小していますね。

特定業種向けソフトでストック収益が拡大

同社の事業は、特定業種向けのパッケージソフトの開発・販売です。「特定業種向け」のパッケージソフトとは、「大学」「公立小中高」「自治体」「スポーツジム」「アミューズメント施設」「薬局」など、各業種の求める内容に特化したパッケージソフトのことです。

同社では、大規模な事業体にはカスタムメイドで顧客の要望を取り入れながらソフトを開発します。小規模事業体にはリーズナブルな価格でノンカスタマイズのソフトをクラウドで提供します。それぞれ売り切りではなく、メンテナンス・サポートやバージョンアップなどで関わり続ける仕組みで、同社では近年、このストック収益の拡大に力を入れています。

ファミマのフィットネス施設にも採用

最近ではファミリマートが展開するコンビニ併設型の24時間フィットネス施設「Fit&GO」に同社のシステムが採用されたことで、注目を集めています。

「Fit&GO」で運用する同社のフィットネス施設運営支援システム「Hello」は、会員証にIC式バンドを採用し、施設の解錠・施錠システムと連携して夜間の無人オペレーションを実現し、また、WEB入会やパーソナルトレーナーの予約、費用のカード決済、タブレットPCによる入会申込などを可能にしています。

「Fit&GO」はまだ先月に3店舗がオープンしたばかりですが、いずれの店舗でも「Hello」が採用されています。既に800施設以上で導入実績があるという「Hello」ですが、これを機にさらなる広がりが期待できそうです。

各業種でデファクトスタンダード

システムディの強みは、同社のソフトが各業種でデファクトスタンダード化しつつあり、それを武器にさらに拡大し続けていることです。

大学などをターゲットにした「学園ソリューション事業」では既に970の学園で導入、前述の「Hello」を含む「ウェルネスソリューション事業」では1,064施設で導入、公立小中高が対象の「公教育ソリューション事業」では2,001校で導入、自治体や公共団体向けの「公会計ソリューション事業」では936団体で導入、「薬局ソリューション事業」では1,225の調剤薬局で導入されています。

また、業種を問わずに、規定管理や契約書作成・管理、証明書発行などのコンプライアンス・ガバナンスの支援システムを提供する「ソフトエンジニアリング事業」では358の民間企業・公益法人で導入されています。

今後はAIやビッグデータも活用

同社では今後、既存システムの進化も含め、AIやビッグデータを活用した「スマート・ソリューション」の提供を目指すとしています。

今回の決算短信では、学園ソリューション事業の説明の中で、「将来を見据えた新システムの開発も計画通り進展しております」という一文がありました。

今後に期待したいと思います。